「セゾンクラッセ」追悼文

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セゾンクラッセとは

クレディセゾンのスマートフォン用会員アプリ「セゾンPortal」のサービスの一つで、ユーザ毎に取引状況等を加味したスコアリングを行い、ランクに応じた特典を付与するというものです。

ただの

残念ながら、8/31をもって惜しまれつつもサービス終了することとなっています。

セゾンクラッセの功罪を考える

良かった点

スコアリングにより、会員の帰属意識を高めたこと

クレジットカード保有者は、複数枚保有している事が多い為、どのカードを使うか、「ラストワンカード」(と多田野は勝手に呼んでいます)となる決め手を持つ事が非常に重要です。

セゾンクラッセの★6特典の一つに、「永久不滅ポイント2倍」がありました。0.5%ポイント還元カードは2倍しても1%にしかなりませんが、仮に1%のカードが2枚あり、他に差がない場合、スコアがある方を使いたくなるのが人情かなと。

スコアという定量的な要素と、使う人の気分や考え方という定性的な要素との両面からのアプローチは良かったと思います。

誕生日ポイント

誕生日ポイントに文句言う人はいないので、たかだか50ポイント100ポイントの話ですが、スコアリングで対象者を絞って付与する狙いは、これも帰属意識の観点でよかったと思います。

ただの

別件ですが、同様に楽天会員への誕生日ポイントを止めた楽天には、相当クレームが入ったと聞いています。

良し悪しある点

セゾンクラッセ限定のカード招待

中でもセゾンゴールドAMEXの年会費無料(年1回以上の利用が条件)での招待は中々”刺さる”イベントでした。

前述の「永久不滅ポイント2倍」と組み合わせると

ゴールドカードでは1%(基本0.5%の2倍)+0.25%(基本0.5%部分の0.5倍=ゴールドカード特典)で1.25%の、中々魅力的なカードでした。

アプリ会員はそれなりに申し込だと思いますが、クローズド施策の為、セゾン側も採算的に成り立つと考えたはず。

しかし、ウォルマードカードの受け皿としてこの無料ゴールドが発行されたのは私も驚きで、(言い方は良くないですが)質の良くないゴールドカード会員が増えた点はマイナス。全てが台無しになったと評価しています。

過去にゆうちょとの提携カード廃止時に「セゾンカードNEXT」「セゾンカードNEXT AMEX」という受け皿カードを発行した経緯もありますので、意外ではないのですが。

西友への楽天の展開がセゾンの想定よりも早く、受け皿カードの準備が整わず、セゾンクラッセと同じ設計の無料ゴールドを出さざるを得なかったのではないかと推察します。

カード会員の帰属意識を高めるためのインセンティブとして用意された制度と推察しますが、結局利得性を求める目ざとい人たちだけ集まったのではないかと思います。

「無料なのでとりあえず持っておく」は、永年のセゾンカードのネックになっていましたが、その構図は変えられなかったのかなと思います。

スコアリングという付加価値をつける事で、この課題の解消を図る意図もあったのでしょうが、体力的にキツかったかな?

個別カードの収支は公開されていませんが、ざっと試算すると、無料セゾンゴールドAMEX単品は運営上赤字と考えます。

ただの

適正なサービスを受けるためには、適正な対価が必要だと多田野は思っています。

良くなかった点

永久不滅ポイントの使い勝手がイマイチ

セゾンはポータルを通じて「永久不滅ポイントの経済圏」を作ろうとした節があり、通販サイトやセゾンポケットでポイント利用やポイント運用など、薄いながらもポイントの行き先を用意していました。

ただ、交換・利用時に還元率が落ちたり、1,000円毎に1ポイントという使い勝手の悪いポイント制度が足を引っ張ります。

例えば、三井住友カードはVポイント設計時に200円=1ポイントに変えています。

ただの

セゾンは、メインフレーム更改時に「200円=1ポイント」に変えればよかのでは?と私は思っています。

話は戻りますが、おそらく永久不滅ポイントと経済圏の目玉と考えたであろうSTOREEは

  • 品揃え(商店数・商品数)が悪い
  • 値段が高い
  • 利用母数がカード会員のみの為、そもそも少ない

といった悪循環もあり、割引率の高い割引クーポンをバンバン出している時点で「こりゃ駄目だな」と思いました。

セゾンクラッセ亡き後もセゾンポータル上で営業はするのでしょうが、どうやってインセンティブの濃淡付けるのか?謎です(その指標がスコアリングだったはずですが)。

まとめ

いろいろ書きましたが、多田野の結論(決め打ち)は以下の通りです。

会員に対してスコアという定量情報をもって付き合い度合いを示し、会員の帰属意識を高め、ラストワンカードの可能性を高める有効な策でした。

一方で、セゾンにとっては広宣費やインセンティブといった金銭的な痛みを伴う施策で、経済事情的に耐えきれなくなった、或いは投資対効果が得られなかった事が廃止理由と思われます。

ただし、中堅若手中心でチームを組んで展開してきたと推察されるので、今後も新たな定量的アプローチを仕掛けてくるのではないかと期待しています。

なお、セゾンは、AMEXからの潤沢なインセンティブを使ってAMEX全面推し。VMがメインストリームな中、ブランドポートフォリオ的にはのめりすぎかなと心配しています。

(7/29追記)「SAISON GOLD Premium」がありましたね。ただし、スペックが何とも微妙でした。

日本の信用スコアリングについて

プラスもマイナスもつけてこそのスコアリングだと思うのですが、日本人はまだまだマイナス情報にネガティブです。セゾンクラッセというサービスが登場時期が少し早かったかもしれません。

プラスもマイナスもある、より公正なスコアリングの仕組みが確立されることは、借り手であるユーザー側にとってもメリットのある話です。クリアすべき課題は多いですが、今後も建設的な話がされればよいなと思います。

少し厳しい見方をしましたが、セゾンは何かをやってくれる会社だと思いますので、楽しみにしています。

8/18追記「★6クラスの永久不滅ポイント2倍特典・継続」

★6ギリギリの800点ですが維持できました。これであと半年は1.25%維持です。

ただの

「リクルートカードで1.2%ですやん」というツッコミは・・・

2023/3/26追記「その後のセゾンカード」

セゾンクラッセが終了した為、セゾンゴールドAMEXは還元率0.75%のカードに戻ってしまいましたが、AMEXのキャッシュバックキャンペーンなど、たまに利用シーンの訪れるカードとなっています。

ただの

多田野もライトユーザーとして
セゾンカードは保有を続けています。

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