共同利用について
個人データの共同利用について、いろんな企業グループがプライバシーポリシーを公表しています。とりあえず、メガバンク系の3つを貼っておきます。
SMBCグループ、みずほフィナンシャルグループ、MUFGグループ
基本的には皆さん知らず知らずのうちの同意されている(形式上は、お客さんがNGと言っていないのでOKと見做す形)はずです。
共同利用のイメージ
下図は非常に大雑把なイメージですが、お客様と取引のある金融機関(代表的なものとして、銀行、信託銀行、証券会社、クレジットカード会社を記載)は取引にかかわるお客様の情報を持っています。
属性情報とは、名前・性別・年齢・住所・勤務先といったどの会社でも取引上共通してもっている情報と、取扱商品に特化した情報が含まれます。
保有資産とは、預金・保有銘柄・不動産など多岐にわたります。借入情報(各種ローン等)もここに含まれます。
クレジットカードの「利用履歴」は、極端な話、その人の利用動向や性癖まで推察する事は可能です。
共同利用とは、この個社が持っている情報を属性情報という共通の情報で括ることを指します。例えばこんな感じで情報を集約します。そして分析します。
- 家族構成:Aさんは55歳。家族構成は妻と子2人、XX商事勤務で年収1,500万円
- 資産:現預金で1億円持っている。住宅ローンは5,000万円ある。無担保ローンの借り入れはない。
- 資産:日本株式を3,000万円、米国株式を10万ドル分保有。国債を1,000万円分保有
- カード:年間400万円ほど利用。高級ブランド品や税金の支払いがメイン
そして分析します。
- Aさんは資産年収ともに余裕がある。年収や配当収入等考えるとXX万円程度の可処分所得あり。
- カード利用状況や決済実績も問題なく、まだまだ利用額に余裕はある。
- リスク資産が多いが、年齢は55歳。そろそろ安定資産への移行を考える頃か
このような情報・分析をもとに、次のような提案をAさんに行うことができます。
- 【カード】弊社のプラチナカードを使いませんか。プラチナならではの高い限度額と質の高いサービスをご提供します。
- 【証券】資産分散型の投資信託にスイッチしませんか。安定した値動きで配当が得られる可能性が高い商品です。
- 【信託】老後や相続に向けたアドバイザリー契約を締結しませんか。
- 【銀行】もしもの時の家族の方の安心のために、生命保険を検討しませんか
個社とお客様との取引で得られる情報で提案できることは、基本的に個社で扱っている商品に限られますが、このように情報の共同利用をする事で、グループ内他社の商品を媒介することが可能です。
有難いか、有難迷惑か
これは人と場合によって異なる為、なかなか難しいところですが、基本的に後者(迷惑)に当たるケースが多いです。
なぜならば、企業の利益とお客様側の利益とが一致することは中々ないからです。
確かに、上得意客にでもなればマル秘情報が・・・みたいな事はもしかしたら裏であるのかもしれませんが、そもそもそういう太い客に対しては個社が情報を取得した時点でアプローチ済みです。
情報を組み合わせないと価値が見いだせない客は
企業が飛びつく客ではないという事です
(例外もあるとは思いますが、基本的にという事で。)
ただ、「迷惑な場合は連絡くれれば止めます」という断り書きはありますが、実際に連絡してくるケースは稀だと思います。
あなたの情報は価値のある情報です
ともあれ、単体ではあまり役には立たないと思われる情報でも、束になれば年代や性別といった括りで傾向や動向の分析材料としては使えます。つまり、どんな情報にも必ず価値があります。
日本は外国と比べて情報に対する感度が鈍いともいわれています(EUが敏感すぎる気もしますが)が、もう少し気にしてもいいのかもしれません。
そんな小話でした。
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