金融業の人が新NISA口座を考える(SBI証券か楽天証券か)

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直近、tsumiki証券でつみたてNISAをやっていましたが、新NISAは株式も取り扱っている証券会社でやろうと考えて、「勘定廃止通知書」を受領したところです。さて、どちらの証券会社にしようか

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目次

新NISAでやりたい事

新NISA制度については、ここで説明するより、SBI証券なり楽天証券なりが分かりやすく解説しているので、そちらを見た方が話しが早いです。

その上で、多田野の前提(新NISAで何がやりたいのか)をお示ししておきます。この内容に大体共感していただいた方は、この記事が役に立つと思います。

  • クレジットカードで投信積み立てをしたい。
  • 外国株または日本株を積み立てしたい(日本株は単元未満株ずつ)
  • 外貨(米ドル)積立→外貨(米ドル)MMFを購入したい

クレジットカード積み立て

新NISA制度発表を受けて、金融庁のお達し内容の緩和→クレジットカード業界の自主規制の緩和・・・という流れで、月10万円までのクレジットカード決済による投資信託の積立購入が可能となりそうです。

実際、tsumiki証券は早々に「カードでつみたて投資」の枠を5万円から10万円に拡げる発表をしています。

ただ、多田野は素直に喜べないところもあって、それはクレジットカード決済による投資信託の積立購入は誰も儲からない仕組みだからです。

信託報酬が0.1%とかの低報酬率な投信のクレジットカード決済に対しでも、それ以上のポイント還元を行っている状況は(それ単独で考えると明らかに異常であり、持ち出しが発生する消耗戦です。

実際、楽天証券は一時期ポイント還元競争から後退(残高へのポイント付与制度の改定や、クレジットカード決済ポイント付与還元率の引き下げ、代替として楽天キャッシュ導入)しました。

これは財務戦略的には至極真っ当な対応だったと多田野は理解しています。

ただ、良くも悪くも投資コストが一般投資家にも広く意識されるようになり、楽天証券も口座数を伸ばせなくなったところに、SBI証券のゼロ革命が追い打ちがかかり、対抗策を打って追随せざるを得なくなったというのが実態です。

ただの

ご存じの通り、楽天モバイルが巨額赤字を垂れ流しているので、
楽天市場や金融サービス(カード、銀行、証券)の儲けを
全てぶっこんでいるというわけです。

なお、先ほど「それ単独で考えると」と言いましたが、証券のみの損得で考えればそうですが、送客効果や販売促進や奨励の類と考えると、計算がまた変わってきます。

細かくは割愛しますが、楽天グループの場合、楽天ポイントを介在した”楽天経済圏”による相互シナジーが発生するため、トータルでプラスとするのは比較的容易と思います。

一方、多田野自身がよくわかっていないのはSBI証券と三井住友カード(もっと言えばSMBC)との関係ですね。以前記事としても書いています。

特に、クレジットカード積み立ての限度を月10万として、プラチナプリファードで5%の還元率を維持するのは、両社において相応の理屈付けがないと難しいだろうと、多田野は見ています。

ただの

プラチナプリファードの実力は、実質ゴールドクラス。
であれば、年間60万円×5%=30,000円のポイント還元
年会費33,000-30,000円=3,000円のゴールドカード
と考えればそう驚きはありません。

という事で、両社がどのように商品設計してくるのかを楽しみですが、ポイント制度の持続性という意味では(財政はよろしくないですが)楽天証券の商品設計は合理的であり、安心できるものです。

おそらく同等以上のサービスを提供する他社が居続ける限り、楽天グループとして旗は降ろさないでしょう。

外国株と日本株の積み立て

ここは単純に一機に買い付ける資力がないからです。今、スイングトレードで来年の投資資金を稼いでいるところですが、成長枠の限度額である240万円が年内に貯まれば、ドカッと買います。

ただ、外国株は、為替コストがSBI証券も楽天証券で為替取引した場合は高い(米ドルの場合25銭)のが難点です。次の外貨積立の話と係わってきます。

外貨積立→外貨MMF

現在、米ドルを少しずつ買い、ある程度まとまったら、日本より金利の高い外貨MMFを購入しています。

ただの

外貨MMFは外貨定期と違い、
損益通算や確定申告が出来るのがメリット

住信SBIネット銀行は米ドルの為替コスト(外貨購入時に上乗せされるスプレッド)が6銭と、SBI証券の為替コスト25銭より大幅に安いです。

外貨MMFである程度外貨がたまったら、外貨決済で外国株を積立購入するようにして、為替コストや為替変動リスクを抑えるようにしていますが、わざわざ株買わなくてもMMF保有継続でいいかなとも思っています。

SBI証券と楽天証券の比較

両社とも、商品の品ぞろえ等は遜色ありません。前提として書いた「やりたい事」に関連してお互いの秀でている点について絞って記載しています。

SBI証券
楽天証券
  • クレジットカード決済は月5万円まで(0.5%~5%
  • 投資信託残高に応じたポイント還元
  • 外国株積立:〇
  • 外貨入出金は住信SBIネット銀行との間で可能(手数料不要)
  • クレジットカード決済は月5万円まで(0.5%~1%)+楽天キャッシュ月5万円(クレカチャージで0.5%)
  • 投資信託(2銘柄)の残高に応じたポイント還元
  • 日本株積立:〇(スプレッド有)

多田野の印象ですが、全般的にSBI証券の方が優れています。迷ったらSBI証券で間違いはないと思います。

ただの

NISA口座は1年毎に変更可能ですので、
選択を間違えても大したことはありません。

クレジットカードについても、年会費優遇条件をクリアした三井住友GNLを持っていれば、1%還元。楽天証券の場合、年会費1万円のプレミアムカードで1%還元なので、SBI証券の方が優位。

ですので、あまり迷う要素はないのですが、冒頭述べた、SBI証券と三井住友カードのサービスの枠組みや内容がいつまで続くかが不透明なため、即決できないところです。

SBI証券でいいと思っていますが、まだ締め切りまでに時間はあるので、もう少し考えてみようと思います。

2023.11.03追記「楽天プレミアムカード」

SPUの特典内容変更についてが発表されました。余裕あれば別記事でも書こうかと思っていますが、自社サイトでの利用制限(正確には利用してもいいけどポイント上限アリ)する設計は歪んでいるかなと。

楽天市場は他ECサイトより価格が高いがポイント還元も高いので、差し引きで利得性がある特色なのに、差し引くポイント減らしてどうするねん?と。

残念ながら、こういう図式の為、客層は非常に悪い(穏やかに言えば、利得性に物凄くこだわる人がヘビーユースする)ので、楽天モバイルの0円古事記の様に、退場してもらった方が良いかもしれませんが・・・

ただの

あくまで、価格で勝負できる状態に持っていく(適正価格に引き下げる)ことが前提です。楽天にそれが出来るなら”戦略”だと思いますが、
それが出来ないなら、場当たり的、場つなぎ的な”戦術”なんやろうなぁ。

(楽天証券積立に使用する以外の部分で)楽天プレミアムカードを保有するメリットが激減したので、SBI証券と楽天証券との比較のバランスは利得性の面でかなり崩れたのかなと思っています。

金融業界の人としての意見としては、(あくまで楽天カード単体についてですが)身の丈に合った正常な見直しを行ったものと評価しています。

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